トレインキルン 2023.5.11
2023年5月11日~14日
晴れ→くもり 最高気温22℃ 最低気温 1℃
トレインキルン(陶芸の森)
焼成時間:28時間
薪数:143束(雑木120・松23)
トレインキルンで1300℃の高温で焼くと、どのような変化が起きるのか?
今回はその検証です。
今回の焼成では、陶芸の森で販売されている薪を使用せず、自分で用意した薪でどの程度昇温できるかを試しました。焼成時間は決めずに、目標温度を1300℃に設定し、その温度に到達した場合、トルコブルーの釉薬はどのような焼き色になるのかも確認しました。
陶芸の森で販売されている松の薪は燃えやすくて良質な薪ですが、すぐに燃え尽きるためたくさんの薪が必要になります。前回の焼成では、1束1000円する薪を90束も使用してしまいました。今回はより安価な薪で試してみることにしました。端材という様々な木材の切れ端を使用しています。端材は乾燥していないため、本来は薪としては適していませんが、トレインキルンとの相性が良いことが分かりました。トレインキルンは未乾燥の薪でも昇温効率が良いようです。
トレインキルンの薪投入口は「firebox」と呼ばれます。Fireboxで燃やされた薪は「オキ」という小さな燃料になり、Fireboxの下にオキが溜まります。オキの量を調整することで、窯の温度を上げていきます。乾燥した松の薪だけを使うと、薪を焼いてオキにするサイクルが早く、昇温が不十分なのに薪が無駄に燃えてしまう感じになります。
一方、端材は未乾燥であり、通常の薪よりも太いため、上記のサイクルが緩やかになり、昇温のペースも掴みやすかったように感じます。
窯が900℃になったところで、横の穴からさらに薪を投入していきます。これは窯の温度を上げるためだけでなく、より面白い変化を狙うために、薪の燃焼を器の近くで行うためでもあります。
1100℃で端材も使い尽くし、湿った薪ではこれ以上の昇温は難しいと考え、陶芸の森の松の薪に切り替えました。
温度が1200℃を超えた頃、なんと窯から人の声のような音が聞こえてきました。
はじめは一緒に焼成にあたっていた妻が何か言っているのかと思って「何か言った?」と確認したのですが、妻の方も同じように驚いていたようでした。
ほかに近くに誰かいるのかと思いましたが、誰もいるはずもなく…
よくよく耳をすまして聞いてみるとなんと音の発生源は窯でした。
まるで女性たちが会話しているような声や男性が低い声で唸るような音が聞こえてくるのです。
1300℃を超えると、泣き声のような音が鳴り響くようになりました。
これを窯鳴りと呼ぶようです。
真夜中で一人だとめちゃくちゃ怖いと思いますが、とても感慨深い体験ができました。
1250℃までは順調に昇温していましたが、1250℃からはなかなか昇温せず、精神力と体力の限界を感じつつ妻にサポートしてもらうこと数時間、ついに1300℃に到達しました!約1時間、1300℃をキープしてから焼成を終了しました。
28時間の焼成時間でした。手伝ってくれた妻に感謝です。
翌日に窯出し。トルコブルーのゆらぎのある青と灰のかかった白が共存するような色合いを期待していましたが、土肌は中途半端に赤く、灰はくすんだ緑色になっていました。少し期待とは異なる色合いでした。
ちょっとがっくりしている様子。
次回は1300℃のキープ時間をより増やし、冷却還元を試してみるかもしれません。今後の検証に向けて準備を進めていきます。
(これは結構よかった!)
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